公開日 2021年09月27日
9月23日(木)に、休日を利用して、6名の中学生が理科体験学習に来てくださいました。
NEXTAの太田教授と木村教授による今回の体験学習では、太田教授よりアモルファス合金の紹介があり、その後実験を体験しました。今回の内容について太田教授より以下の通り報告頂きました。
「アモルファス合金は日本語では、「結晶に非ず(あらず)」と書いて「非晶質」と呼ばれています。結晶のような原子の周期的構造を持たず、原子レベルで原子がランダムに配置した状態です。このことが優れた軟磁気特性(軟磁性)をもたらします。では、軟磁性とは何でしょうか?磁石の「磁」が付くので、磁石みたいな性質かな?と思うのではないでしょうか。…近いけれど、ちょっと違います。軟磁性は、磁石に吸い付けられやすい性質であり、自分自身は吸い付ける能力をほぼ持っていません。…それの何が良いの???と思ったことでしょう。実は、電磁石の鉄心として非常に優れた性質なのです。そこでアモルファス合金を鉄心として、それに導線を巻いて電磁石を作ってみました。電磁石に電流を流したり、切ったり、電流の値を細かく変えてみる実験をしました。わずかに電流を流しただけで、アモルファス片を吸い寄せ、電流を切ると、パラっと一瞬でアモルファス片が落ちました。アモルファスの軟磁性とは、電磁石で作った磁界を効率よく集めて、効率良く通す性質だということがわかりました。この性質を使った応用品とは何でしょうか?…今度はこのコイルに交流の電流を流し、方位磁石を近づけてみました。すると、電流の周波数に合わせて、方位磁石が揺れます。今度は、対面にもコイルを置いて対を作り電流を流してみました。すると、方位磁石が、大きく揺れ、たまに一周する様子が見られました。「あっ、モーターだ」と生徒の一人が言いました。そうです、ロスが少なく電流に対する磁界発生のレスポンス性に優れるアモルファスの軟磁性はモーターの鉄心に最適なのです。最後に、組み合わせを工夫して、方位磁石の周りに6つのコイルを配置して、上手く回るようにしてみました。」
実験を終えた生徒たちは、普段耳にする機会がないアモルファスという材料を知り、「金属っておもしろいと思った」「次もぜひ参加したい」など、たくさんの感想をいただきました。
今後も、NEXTAでは随時見学会や体験学習会をおこなっていきます。お気軽にお問い合わせください。
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