公開日 2023年03月29日
荒河一渡(あらかわかずと)先生は、次世代たたら協創センター(NEXTA)で副センター長を務めながら日々、学生や関係する企業の方などと忙しく研究を進めています。
荒河研究室ではTEM(透過型電子顕微鏡)を使った格子欠陥(こうしけっかん)に関する研究が進められています。
格子欠陥とは、原子配列の局所的な乱れのことで、これが原子炉・核融合炉材料、そして発光素子用半導体といったエネルギー関連無機材料、さらには橋梁材料などの一般構造材料のマクロな性質をしばしば支配しているのです。比較的単純な材料である純金属においてさえ、格子欠陥の構造と挙動には未解明の重要な問題が多く残されています。
荒河研究室では、格子欠陥の構造と挙動を実空間で観測するために極めて有効な手法である透過型電子顕微鏡法 (TEM) を駆使して、金属・半導体における個々のナノスケールの格子欠陥の挙動を直接観測し、それらに関する新たな基礎的知見を世界に先駆けて獲得してきました。
TEMによる格子欠陥に関する研究を押し進めることで、格子欠陥の蓄積過程やそれに伴う物性変化を予測するための基盤の構築や、格子欠陥挙動を制御し、高機能材料を新規開発することを目指しています。夢ナビのウェブサイトでは、荒河先生の研究内容についての講義動画やメッセージなどを見ることができます。是非ご覧ください。
NEXTAに新しく登場した事実上世界に1台しかないTEMについては次回ご紹介します!
お問い合わせ
次世代たたら協創センター