公開日 2023年01月18日
金属は身の回りにたくさんあって、なんだか新鮮味がないかもしれないね。皆さんのイメージは硬い、光沢がある、電気を通すというような性質を持つものかな。
『やわらかい金属』のところでも話した、延性や展性という性質もあるね。力を加えて変形させて、針金のようにしたり、さらに細くしてこのマンガにもあるように糸のようにすることもできる。これは加工することによって塑性変形させるので塑性加工という。
実際、工場で針金を作るときは、だんだんと細くしていくという操作を繰り返しているんだ。自動車の車体の微妙なカーブや、新幹線の先頭のカーブなんかもこのような性質があるからできるんだね。
一方で加工して硬くすることもできる。全く別の性質を引き出せるんだね。この違いは『アイアンブリッジ』のところで話したような原子レベルの視点で理解することができる。
さらには、『金属のひみつ2』の動画でも見たように硬かったピアノ線の温度を上げて急激に冷やしたら簡単に折れてしまって性質が変わってしまう。これも原子レベルの視点で理解することができる。動画では光学顕微鏡で見た様子が変わっていることを示して、その時の原子の配列の違いの話もしています。
原子レベルの理解をすると金属の可能性はどんどんと広がっていくかもしれないね。電気を通しやすいと言う性質も原子の並び方によって電子がどんな振る舞いをするか知ることで理解することができる。ここではコンピュータの利用も無視することはできない。原子レベルの話をしようとするとX線や電子線を使って調べることが必要だ。
NEXTAには原子レベルで調べる装置がいろいろとあるから見学に行ってみたらどうかな。力を加えると原子がどのように動くかをコンピュータでシミュレーションすることも行われている。これからはコンピュータを使った新しい分野も切り開けるかもしれないね。