公開日 2022年12月14日
橋とかロケットとかいろいろなものが金属でできているけど、原子レベルで見るとどうなっているのかな。
塩の結晶を作ったことはあるかな。塩の代表的なものは塩化ナトリウムNaClだね。正の電荷を持ったナトリウムイオン(Na+)と負の電荷を持った塩素イオン(Cl-)が電気的に結合してこんな原子の配列をしている。
このように原子が周期的に規則正しく並んだものを結晶という。(もう少し学ぶと、もっと別の定義がなされているけど、まずはこれでOK)この原子の並び方がサイコロ状をした塩の結晶の外形に反映されている。
金属も原子が規則正しく周期的に並んでいる。例えば鉄は温度が低いところ(912℃以下)ではこんな具合に並んでいる。
鉄ではこのように並んだ状態をフェライトと呼んでいる。青線で示した一辺の長さは温度が上がるにつれて少しずつ長くなっていく。熱膨張だね。こんな風にずっと並んだ状態を単結晶という。結晶の方位が少しずれると、ずれたところでつながりが壊れて結晶粒界ができる。普通の金属の結晶はこのように方位の違った結晶が寄り集まった状態になっている。この状態を多結晶と呼んでいる。
鉄の温度が高く(912℃~1394℃)なるとこんな具合に並ぶ。
鉄のこのように並んだ状態をオーステナイトと呼ぶ。鉄は磁石にくっつくと学ぶかもしれないけれども、このような配列になった鉄は磁石にはくっつかない。
金属の鉄になる前の酸素と結合した状態も結晶になっていて、例えばマグネタイトと言われるFe3O4の結晶はこんな具合に鉄と酸素が規則正しく並んだ状態になっている。
ここから酸素を取り除いて鉄だけの結合にしたものが金属の鉄だね。(でももっと奥は深い。もっといろいろな謎があるから大学で学んでね)
結晶は(原子の並び方)ものすごくたくさんあるよ。その並び方が物質のさまざまな性質を決めている。大学ではそんなことも学ぶことができるよ。