大学での学び体験

公開日 2022年11月29日

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 今年も金属工学実験が開かれるようだ。これはNEXTAで行われ、高校ではなかなかできないような実験ができるイベントだよ。大学の雰囲気も感じることができるかもしれないよ。
ところで大学と高校、中学って何が違うんだろう。中学、高校まではいわゆる基礎を学ぶところだね。大学でも最初のうちは基礎を体系的に学ぶことが多いね。そして、ほとんどの大学では卒業に際して、自分でテーマを決めて卒業論文という研究論文を書くことが求められる。
 「自分でテーマを決める」というのは実は結構大変で難しいことだね。「研究」なので教科書や本でただ調べることとは違うよ。まず、自分で疑問を持つこと、これが一番大切かもしれないね。その疑問に対して、どんなことがわかっていて、どんなことがわかっていないのか、きちんと整理できていないとテーマにならない。どんなことがわかっていて、何がわかっていないかを知るためには、これまでに発表されている論文をきちんと理解することが必要だね。世界と戦うには当然、英語で読めることも大切だね。
 理系では、実際にはどうなの?ということを確かめてみることも重要だよ。つまり実験して確かめてみることだね。それがこれまでの自然科学の体系の中で、どうなのかを知ることも大切だね。場合によっては体系が変わってしまうほどすごい発見だったり、発明だったりすることもあるかもしれないね。
 実験系の研究室に行くと、研究室の実験装置を駆使して実験するのに、どんなことが課題としてあるのか先生がいくつか候補をあげてくれることが多いけど、その時も自分でよく考えることが大切だね。(もしも自分でやりたいことがはっきりしていたら、しっかりと勉強して、先生と相談してみるのもいいかもしれないね。)
 なかなかむつかしいことを書いたけど、朝永振一郎というノーベル賞をもらった先生がこんな言葉を残している。「不思議だと思うこと、 これが科学の芽です。 よく観察して確かめ、 そして考えること、 これが科学の茎です。 そして最後になぞがとける。 これが科学の花です。」


 

 

 

 

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