都市鉱山

公開日 2022年09月20日

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都市鉱山
 金属は最初から金属として存在しているわけではないんだね。鉱物の中に含まれている金属を取り出している。鉄は鉄鉱石に含まれる赤鉄鉱(Fe2O3)や磁鉄鉱(Fe3O4)から、銅は黄銅鉱(CuFeS2)から、アルミニウムはアルミナと結晶水でできているボーキサイト(Al2O3・nH2O)から取り出している。金は安定な元素なので砂粒の中に金として存在していて、そこから不純物を取り除く必要があるね。それぞれの資源は無尽蔵にあるわけではないので次の世代に残しておくことは必要だね。都市鉱山は掘り出されて人間の活動圏に入った金属を、資源として再活用していくことだから大切な考え方かもしれないね。
 NIMS(物質・材料研究機構)※注1の原田幸明先生の計算によると、例えば鉄は全世界で858,百万トン消費され、埋蔵量は79,000, 百万トン、日本の都市鉱山蓄積量は1,200, 百万トンとされている。他の金属によっては世界の埋蔵量の5分の1ほど日本に集まっているものもあるようだよ。一方、鉄のリサイクル率は「鉱物資源マテリアルフロー2018鉄」※注2によると、2013年で25%とされている。鉄製品別ではスチール缶では2017年で93%程度のリサイクル率のようだね。
 少し難しいけどJOGMECのウェブサイト注3には金属資源の様々な情報があがっている。世界各国の情報が上がっているのを見ると、地球上でみんなが共有して大事に扱うべきものだと思ってもらえるかな。

 

 

 


※参照元URLについて
注1 ) NIMS(国立研究開発法人 物質・材料研究機構)「レアメタル・レアアース特集」
https://www.nims.go.jp/research/elements/rare-metal/urban-mine/data.html
注2) JOGMEC(独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構)「金属資源情報」「鉱物資源マテリアルフロー2018鉄」
https://mric.jogmec.go.jp/wp-content/uploads/2019/03/material_flow2018_Fe.pdf
注3) JOGMEC(独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構)「金属資源情報」
https://mric.jogmec.go.jp/

 

次回は・・・「情報科学」  10月11日(火)(予定)  

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