公開日 2022年05月24日
最先端がいっぱいって、何があるんだろう。
今回は電子顕微鏡について話をしてみよう。
電子顕微鏡と言うのは光の代わりに電子で物を拡大して観察しようというものだよ。学校で習うように凸レンズを使って光を屈折させて拡大する装置は、光を使うから光学顕微鏡と呼ぶこともあるね。光の代わりに電子で観察するものが電子顕微鏡だね。
電子を使うと、どんないいことがあるんだろう。光では拡大する限界があるんだ。分解能の話は少し難しいのでざっくりした話をすると、光は電磁波と言われる波で、その波長程度が分解できる限界なんだ。人間が感じることのできる可視光の波長が400nm~800nm(1nm=1/1,000,000mm)("nm"はナノメーター)だから、この程度が限界なんだ。でも電子ではもっと短い波長を利用できるので、もっと小さなものまで見ることができるんだ。電子を使うことによって光ではできないこともできて、どんな元素があるかも調べることもできるんだ。さらには、物質は原子が規則正しく並んで結晶という状態を作っていて、その結晶の情報も調べることができるんだ。
でも電子は空気中では酸素とか窒素の原子とぶつかって、まっすぐに進めないから、通り道は真空にしなくてはダメなんだ。光は凸レンズで光を曲げることができるけど電子ではできない。ガラスのレンズの代わりに電磁レンズというコイルを使ったレンズを使うんだ。
今度、世界に一台しかない電子顕微鏡が入るんだ。楽しみにしててね。電磁レンズの基礎は中学、高校で習うフレミングの左手の法則だよ。