迷ったら3冊の本!平山先生のお話

公開日 2022年01月25日

どの学問を学びたいか確信が持てないときや、進路に迷ったときどうやって決めればよいのでしょうか。NEXTAでご活躍中の平山先生に聞いてみました。

●理系はだれでもいつでも目指せるものでしょうか?
基本的にだれでも挑戦して良い世界だと思います。たとえば高校の時理系クラスに入らなかった人が研究者になるということも全然おかしな話ではないと思います。とても分かりやすい授業をされるとある先生の授業を聞きに行って、授業後に質問したことがあるんです。その際にその方とのお話の中で学生時代の専攻は声楽で、物理に入り直されたことがわかりました。そのくらい方向転換は可能なのです。理系のクラスに行ってなかった、とか1位になれなかった、など悩む方もいますが、その方と同じようなプロフィールを持った研究者を探してみればたくさんいると思いますよ。研究者の中でも子どもの頃から物理学科に行こう!と思っていたという人は実は少数派なのです。様々なご縁が重なって仕事に就けた、というタイプの方が一番多いのではないでしょうか。必ずしも全員が強い意志と高い目標を持ってスタートを切っているわけではないと思います。ですので、あんまり構えすぎないで欲しいと思います。少しでも興味を持っていて進学したい気持ちをもっている人には是非進んでみて欲しいと思います。

「なんとなく好き、そのレベルでいいんです。」
どの分野に進学するか迷いがあるとしても、必ずしも夢や情熱、大きな目標がないといけないわけではないと思うのです。なんとなく作者の名前は思い出せないけど好きなマンガがある、とします。なんとなく好きな世界観、だとかその程度で良いと思います。様々な運とタイミングが合えば研究者になる人もいるし、そうでなかったとしても好きな世界観の中である程度深いところまで学んで味わった、という実感を得られると思います。そのような大学・大学院生活を送ることができればその後の人生にも何かの役に立つのではないかと思います。
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●色々なことに興味があって、進学する学科を絞れない場合、どうしたらよいでしょうか?
これは私が学科を決めた時のやり方なんですが、どちらかというと私自身はやりたくないことを避けたというよりやりたいことがたくさんありました。いろいろなことに興味があって、文系も理系もあって文学部も考えていました。文学部にもし行っていたら翻訳家になりたかったです。理系の中でも生物と最後まで迷って、結局両方受験しました。

「迷ったら3冊の本!」
まずはご自身の興味のある分野から各3冊ずつ本を読んでみることをお勧めします。図書館で手に入る本でいいと思います。1冊ダメでも残り2冊がおもしろい可能性もありますので、1冊に絞らないところがポイントです。あまりマニアックでなく、スタンダードなもので、入門書や話題になっているものでも良いと思います。読んでみたいな、と思う本を選んでみてください。

私の場合、学校の図書館で物理の本、数学の本、宇宙の本をそれぞれ3冊ずつ入手し、読みました。文学系の本についてはそれまでにすでにたくさん読んでいたので割愛しました。それらを読んだ中で「物理だな、私は」とわかりました。結局生物と物理が最後まで残ったのですが、生物の3冊を読んでみて「物理だな」と思ったんです。おもしろい生物学の説明はだいたい物理学が使われていることに気づいたんです。私はどちらかというと分子生物学などに関心があるタイプだったのですが、なんでこんなことが起きているかというのを実験と数学の手法を使って論理的に解き明かすというのはやっぱり物理の手法だと、それを利用するとこんなふうな説明ができるということが書いてあったんです。そのことから生物のみじゃなく物理の知識も生命現象を深く理解するのに必要ということが実例を交えて紹介されていたので、そのようなことをおもしろいと感じました。

3冊読むとおもしろいと思う箇所が出てきます。それに対して自分がどのようなところがおもしろいと感じたか分析してみてください。「この説明は納得できる」、「これはおもしろいと思える」、「これは読むのが苦痛」、とちゃんと分かれると思うんです。となれば読むのが苦痛と思っている勉強を4年間やれますか?という話で、それよりは「これは納得できるな」という説明をしてくれる学問体系を学んだほうが本人が使いこなす武器になるし、面白いと思うようなことを深く知る機会が増えるような学科にいたほうが良いと思います。悩んでいる人は3冊ずつ、読んでみてくださいね。