公開日 2026年10月14日
安来市和鋼博物館(安来市安来町)で、2026年10月1日から3日間、古代たたら復元操業が行われました。「次世代たたら協創センター」の名称は、島根の地において継承され日本刀材料である玉鋼を供給し続けている伝統的製鉄法の「たたら製鉄」に因み、さらに、地域全体でものづくりを推進していくという願いを込めて命名されており、古来のたたら炉を参考に実施される古代たたら復元操業は、内閣府地方大学・地域産業創生交付金事業「先端金属素材グローバル拠点の創出-Next Generation TATARA Project-」(令和5年から「展開枠」として採択)においても地域とつながる大切な事業です。株式会社プロテリアル、一般から約50名が参加し、島根大学では、総合博物館 會下和宏館長が担当する「たたらと現代製鋼」授業の実習として、6名の学生が3日間参加しました。
初日(10月1日)は、たたら操業で使用する炉の釜土ブロックの作成と使用する木炭の炭割を、2日目(10月2日)は、築炉、3日目(10月3日)は第28回やすぎ刃物まつりの初日にあたり、操業、鞴(ふいご)踏み、鉧出しを約50名の参加者で行いました。3日は7時過ぎに大谷浩島根大学長らが参加し、初種式が行われました。
佐藤村下代行や和鋼博物館スタッフの指導の下、土をこねブロックを作成し、炭と真砂砂鉄と川や浜で採れた砂鉄を調合しながら交互に投入し、代わり番子に鞴を踏みました。今年は約100㎏の砂鉄、165㎏の木炭を用いて約38㎏の鉧ができました。どれだけの玉鋼ができたかは後日の楽しみです。
NEXTAでは、地域の伝統を体験し時代に継承する機会であるこの復元たたら操業に協力してまいります。

■和鋼博物館 長谷川正人 館長
今回の復元操業では、村下代行や博物館職員との交流、参加者同士の活発なコミュニケーションが生まれ、「たたら」や「モノづくり」への思いや興味を一層深めていただけたように感じます。 これは人の力によるモノづくりを通じて、一体感と使命感が自然に醸成された結果でもあると思います。今年は遠方の高校生や外国人参加者、各地の大学からの参加が加わり、年齢・地域・国籍の幅が広がったことで、多彩な人たちによる操業となりました。リピーターの中には初参加者を支援できるほど習熟した方もおられます。 多くの参加者から実際にやってみると新たな気づきが得られたとの声もいただきました。 専門家の方からも、伝統製法による成果物の質の高さは興味深いとの評価がありました。操業作業自体は、地道で華やかさは多くありませんが、その地道な作業の積み重ねによって出来上がった鉧(けら)は、小さいながら参加者の想いが詰まった立派なものとなりました。
■公益財団法人日本美術刀剣保存協会 日刀保たたら 佐藤秀行 村下代行
古代たたら復元操業に参加された方々には、博物館の案内や解説資料のみではなく、実際の作業で体感的に経験をしてもらった上で、たたらについての説明を聞いていただきました。
参加いただいた方々からは、「想像と違った、熱かったがやり切って良かった」、「一から鉄を作った感触と達成感を得られた」等の感想があり、我々支援する立場として大変嬉しく思います。
今回の体験を通じて、山陰(島根)で育んだ製鉄に纏わる歴史や文化を体得していただき、その経験と感動の輪を広げていっていただけたら幸いです。
■島根大学総合博物館 會下和宏 館長
授業の実習として3日間にわたって参加した学生たちは、村下代行や株式会社プロテリアル・和鋼博物館の皆様のご指導のもと、力を合わせて熱心に作業に取り組むことができました。伝統的な「たたら製鉄」の作業に実際に参加させていただいたことは、島根大学の授業でしかできない「学び」であり、大変貴重な経験になったと思います。
文責 NEXTA 柴田雅光



