公開日 2026年06月24日
内閣府地方大学・地域産業創生交付金事業「先端金属素材グローバル拠点の創出-Next Generation TATARA Project-」(令和5年から「展開枠」として採択)では、令和8年6月12日(金)に島根大学材料エネルギー学部棟にて、NEXTAフォーラムを開催しました。NEXTAフォーラムは島根大学次世代たたら協創センター(NEXTA)が、研究成果の社会実装、多種多様な企業、研究者とのオープンイノベーションで新たな価値を創出する機会として、2021年4月より開催し、今回で26回目となります。
今回のフォーラムは、先端金属素材分野における情報提供とものづくりの共創について、独立行政法人日本貿易振興機構島根貿易情報センター(JETRO島根)と共同で催しました。県内外の企業をはじめ、49名の参加がありました。
一つ目の講演は、JETRO島根が昨年度実施した、「先端金属素材を軸とした島根発の産学連携・国際協業モデルの構築の可能性を探索するための調査」の結果報告と、先端金属素材の研究成果を島根でどう事業化につなげるかについて、「島根県における先端金属素材研究を軸とした海外企業との協業可能性について」と題し、EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社パートナー 原田 幸憲様に講演いただきました。
二つ目の講演は、地域の企業が連携して試作案件受注する先進的な取組について、「大田区における企業連携を活かした試作案件受注の取り組み」と題し、株式会社エース 代表取締役 西村修様(I-OTA合同会社 業務執行社員)に講演いただきました。
原田氏からは、「用途仮説」・「実証段階」から支援機関が参画し、「試作・評価」、「量産移行検討」、「継続協業」を支援していく『島根モデル』の提案がありました。 西村氏からは、大田区の企業経営者3人が手弁当で大手メーカーの技術課題の解決策を、企画立案・営業から試作開発・設計・事業運営をも含め提案するワンストップサービスである、I-OTAを立ち上げ、大田区のメーカー含め数百社が参加する取り組みを説明され、島根県内でもワンストップサービスを立ち上げるように提案されました。
最後に、独立行政法人日本貿易振興機構イノベーション部 エコシステム課 小幡玲奈様より「JETRO事業の紹介」がありました。地域重点産業外国企業招へい募集や、日本企業と海外スタートアップ等による国際的なオープンイノベーション創出のためのビジネスプラットフォームJ-Bridgeの紹介もありました。
これからのものづくりにとって必要な情報やシステム、支援策の提案を行い、地域産業の活性化の一助となる機会を提供できました。
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社パートナー 原田 幸憲様
このたびは第26回NEXTAフォーラムにて講演の機会を賜り、誠にありがとうございました。今回の調査・講演では、アモルファス合金を一つの題材としながら、島根県における先端金属素材研究を、どのように小規模実証、試作・評価、海外企業との連携、さらには事業化へつなげていくかをお話ししました。海外企業との連携を通じた先端素材の事業化では、素材そのものの良さだけではなく、その特性を顧客課題、用途、試作条件へと翻訳する機能が重要になります。島根大学NEXTA様の研究力、地域企業様の加工・試作・評価技術、JETRO島根、島根県産業振興課様をはじめとする行政・支援機関のネットワークを組み合わせることで、島根ならではの「研究を産業化につなぐ地域モデル」を構築できる可能性があると感じています。今回のフォーラムが、地域企業の皆さまにとって、自社の技術力と地域資源を活用し、島根発の先端金属素材事業化モデルを検討する契機となれば幸いです。
株式会社エース 代表取締役 西村修様(I-OTA合同会社 業務執行社員)
大田区には、製品づくりを各社の得意技術で補い合って完成させる「仲間まわし」の文化があります。これは地域特性として1社では完結できる設備や人が無いことで生まれた文化です。日本のものづくり企業が減少する今、次世代の人材確保や企業の存続は大きな課題です。中小製造業が発展し魅力的な業種になるには、チャレンジ精神が欠かせません。私は莫大な設備投資を先行させるのではなく、近隣及び全国の仲間企業と強みを連携させることで「新たな分野への挑戦」という壁を突破できると考えています。実際にI-OTAで多様な試作案件に対応する中、経験値が蓄積され、参画企業の意識にも前向きな変化が生まれています。今回の講演を通じ、島根大学の学生、県内の企業様にもぜひ連携による挑戦を広げていただき、この取り組みが全国の中小製造業へ派生していくことを切に願っています。

文責 柴田雅光
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次世代たたら協創センター



