令和4年度 オックスフォード大学派遣報告

公開日 2022年09月15日


 次世代たたら協創センター(NEXTA)では、センター長のロジャー・リード教授が所属するオックスフォード大学と連携し、共同研究や人材育成に取組んでいます。コロナ禍のために往来が難しくなった2020年以降も、オックスフォード大学の教授陣によるオンラインでの集中講義等、研究や人材育成の取組みを通じて連携を深めてきました。
 オックスフォード大学への学生の派遣は、2019年に一度計画されましたが、コロナ禍により渡航計画を断念せざるを得ず、本年8月にようやく派遣が実現しました。
 今回の派遣については、リード教授らによるインタビューなどで選ばれた4名の学生が約2週間に渡って英国に滞在しました。期間中は、企業や様々な研究施設の訪問に加え、「Clean Aviation」という温室効果ガスを排出しない航空機の実現に向けた技術的課題についての調べ学習やスライド作成を行い、最終日に設定されたプレゼン発表でその成果を披露するなどの活動に励みました。 
 リード教授をはじめとした世界の第一線で活躍する教授陣や研究者たちとの交流や意見交換、最新鋭の設備や研究環境を間近で体験することができ、4名の学生にとって大変充実した2週間となりました。研修を終えた4名に感想や今後の目標を聞きました。

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井上 喬仁
自然科学研究科 創成理工学専攻理工学コース(博士後期課程)
リード教授やマッカートニー教授、ポスドクの方による日々の講義に加え、研究施設への訪問等の活動をさせていただきました。研究に対する彼らの意識や考え方には学ぶことが多く、非常に刺激を受けました。彼らのような世界トップクラスの研究者達と渡り合うためには当然ながら英語でコミュニケーションをとる必要があります。今回の派遣で、英語で自分の気持ちや考えを伝えることの難しさを痛感したと同時に、アカデミックな議論ができたときには大きな嬉しさがありました。今回学んだことを活かし将来立派な研究者となれるよう努力して参ります。

小宅 雄真
自然科学研究科 理工学専攻先端材料コース(博士前期課程)
今回のテーマ「Clean Aviation」について、2週間でスライドを作成し、最終日にオックスフォード大学の教授・研究者・学生の前でプレゼンを行いました。日々のスケジュールに取組みながら、合間の時間に少しずつ作成を進めていく作業はとても大変でしたが、英語でのスライド作成・発表を通じて、英語によるアカデミックな議論ができました。この経験を通じて、読み書きだけではない実践的な英語の学びと、幅広い材料・加工・特性制御の知識を得ることができました。これから先も、より進歩していけるよう積極的に学んでいきたいです。

廣田 大樹
自然科学研究科 理工学専攻先端材料工学コース(博士前期課程)
今回のオックスフォードでの様々な活動の中で、まずは硬さ試験が印象に残っています。本などの知識としては知っていましたが、実際にやったことがなく自分に足りていない部分でした。また、オックスフォード大学のポスドクの方のプレゼンを見た際には、参考文献の多さに驚きました。知識量の差は、読み込む論文の多さにもあると思い知らされました。研究を究めていく先には海外に出ていくことになると思いますが、今回の派遣は語学面でも、研究面でも自分の現時点での実力を知る機会となり、現地の研究者の方々との交流により視野を広げることができました。この経験を今後の研究生活に活かしていきたいと思います。


野津 直人
総合理工学部 物理・マテリアル工学科
初めての海外での研修は、これまでの自分の知識不足や準備不足を思い知らされるものでした。様々な面においてレベルの違いを感じたし、英語での会話も大変でしたが、実際に現地で実践したことで、発音や文法などを気にすることよりも、どんな方法でもいいからどんどん発していくというアウトプットの大切さにも気づくことができました。今回の経験は、研究活動や英語学習のモチベーションアップのきっかけとなり、またこのようなチャンスがあれば必ずチャレンジしたいと思っています。その時まで、NEXTAでしっかりと力をつけておきたいと思います。






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