公開日 2022年10月25日
和鋼博物館で「古代たたら復元操業」が10月5日から8日に行われました。島根大学では2008年から「たたらと現代製鋼」の実習として行われており、6日から8日まで延べ10名の学生が参加しました。新型コロナウイルスの影響で、昨年と一昨年は関連施設の見学のみでしたが、今回は3年ぶりに実習を実施することができました。たたら製鉄は砂鉄と木炭と釜土で製鉄を行うもので、中国地方で発達した日本独特の製鉄法です。現在でもコロナ禍となる以前は冬場に3度の本操業を奥出雲で行い(コロナ禍では1度)、できた玉鋼(たまはがね)を日本の刀匠に配っています。古代たたらのこの操業では炉の地下構造も作り、炉の材料となる土をこね、下釜、中釜、上釜と積み重ねて作るというのは日本刀剣美術保存協会の村下(むらげ)が参加されてこその取り組みです。参加した学生たちは早朝から木炭を割り、土をこね、炉を作りと日頃とは違った体験をしました。最終日、8日には夜明け前から集まり、産官学の代表として日立金属の方、安来市の教育長、学長も参加されての初種式の後、操業を行いました。午後からはふいごを踏んで空気を送る体験も行い、午後3時ころから炉を壊し、約38キロの鉧(けら)を取り出すことができました。実習を終えた学生からは「疲れたけど面白かった」「朝早くからだったけど一日が短く感じた」などの感想がありました。
地下構造のための下灰作業
木炭を割っています
炉の材料となる釜土をブロック状にしていきます
築炉の最中
中釜までを乾燥中
初種式に臨む服部学長
ノロ出し
炉を壊す
できた鉧(けら)
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次世代たたら協創センター